tere inenggi

研究(満族史・清朝史・東アジア史)や講義(歴史学・東洋史・中国語[漢語]・コンピュータ)等の備忘録

2011年度:東洋史概説(日本大学通信教育部[秋期夜間S])

授業アンケートの結果より

授業(2011年度)の最終講義で実施されたアンケートの結果が送られてきた。今回は「東洋史特講」と「東洋史概説」の2科目。

☆「東洋史特講(「清朝史・満族史」)」は,特殊講義なので用意した史料を読み進めながら,通説との差異や共通部分を探っていくもの。

「清朝や満洲民族等に関し,史料をどのように使って事実を見ていくかについて学んだ。その手法についてはとても参考になり,可能なことは卒論制作に生かしたい」,「全く興味のない内容でしたが,先生の説明や資料により興味を持つ内容に変わっていきました」,「とても難しい内容でしたが,資料や口頭の説明で理解しやすいようにしてくれた」,などは狙い通りであったことを確認できた。

また「中国共産党により,歴史がゆがめられているため,何故現在の中国がこのような現状にあるかわかりにくくなっているが,清朝の歴史を明らかにすることで理解が進んだ」。現代中国に対する私たちの認識は,中国共産党が歴史をゆがめただけに限らないが,現在の中国を捉える上で清朝史の理解が必要なことに気づいてもらえたようだ。

☆「東洋史概説(「中央アジア史」)」は,概説科目なので一般的な知識と研究の方法を紹介。

「内容的には,分かり易かった」,「概説というだけでなくて歴史を視る姿勢について示唆していただいたと思います」,「モンゴルや中央アジアなど普段接する機会,学ぶこともない国々を知ることができ,勉強になり,楽しかった」などは,小生の講義への取り組みや基本姿勢が伝わったようで嬉しい限り。

「いままで受けた講義の中で,一番しっかりとされた授業でした。(授業内容・時間共に)もっと経験を積まれれば,すばらしい先生になると思います」。素直に受け取りますヽ(・ε・)人(・ε・)ノ ありがとうございますw

☆2つの講義に共通する部分。

「中国の地名等特にむずかしかったです。少しずつ学んで知識を増やしていきたい」,「どういう字を書くか,悩みました。でも,よく授業を聞いていて分かるような気がしました」。地図や図版なども配りながら話しを進めているのだが,できるだけ復習をしてもらえると助かります。

やはり緊張したり準備が足りなかった部分,時間配分がうまく行かないときは,「あまりに駆け足でメモするのが大変」,「相当専門的分野の話しだったので,話すスピードが速いと感じた」となってしまうのは永遠の課題なのか。関連して,毎回残り20分でレポート(いわゆる“リアクションペーパー")を書かせてるが20分とれた週はそう多くないところも反省。なので「書く時間をもっと下さい」はごもっとも(講義終了のベルが鳴ったらレポート途中でも提出可能にしている。もちろんレポート成績は配慮してる)。

「いつも,授業の最後にその日のまとめを先生が述べるが,口で言うだけなので,書きとるのが大変だった」。これは昨年度(「歴史学」)から始めた手法。配られた授業用レジュメはあくまで補助であり,教員が話すことを積極的にメモしないと授業についていけないのは何の授業でも同じだから。まとめ部分は3回は繰り返すことにしてるので,今年度も問題点がないようなので来年度以降もそのまま続ける。

「毎回レポートを書かせるのに,それが成績に反映されているのか不明だった」。大いに反映されてますよ(。・ω・)ノ゙

2つの授業アンケートともに今回は「テーマ」や「授業の分かり難さ」への批判は見られなかった。ただこれは大学事務方で取捨選択した結果,小生の手元に届いていないだけかもしれないw いずれにせよ,来年度以降も緊張感をもって講義(とそのための研究)に精進します。

総合教育科目「歴史学」を除いた概説科目(「東洋史概説」)・入門科目(「東洋史入門」)・特講科目(「東洋史特講」)は,小生の場合,東洋史(中央アジア・東アジア・東北アジア)の様々な視座やマージナル的な部分などの見方を紹介してるが,学習目標としては異文化理解とともに卒業論文執筆のお手伝いを念頭においている。直接的には入門科目で紹介するだけだが,その他の概説科目・特講科目でも意識しつつ講義を進めるようにしている。

※コメント部分はすべて原文ママ

第7週[最終週]:東洋史概説(日本大学通信教育部)

写真 (70)秋期夜間の集中講義。全7週の最終週。教室は1号館303講堂。

第13講は「民族と国民国家」。

「周縁」としての中央アジアを学んだ。内容は,‥譽肇襯スタンが清朝→中国,西トルキスタンがロシア帝国→ソヴィエトに組み込まれていく過程及び中央アジア統治について,近現代の民族を理解する上での「ウイグル」の名称について確認した。今後の民族問題を測る視座として,既存のマスコミ報道や西側のもののほかにも存在すること,またそれを提供するため。リアクションペーパーもそのような考え方を反映した内容で書いてくれました。

休憩ののち,第14講にあたる時間で最終試験をおこなった。すでに題目は周知済みであり,受講生にとってこの時間は落ち着いて解答用紙に書き写すだけである。それでも一番早い学生で40分かかっていた。

受講生のみなさん,お疲れさまでした(´ω`)

全員が寡黙に講義を聴いて,毎回のリアクションペーパーをきちんと書いてくれたことに小生自身応えようと,毎回必死だった7週間でした。また,翌日同じ校舎でおこなう東洋史特講気亮業準備のため,通勤往復3時間の節約及び有効利用のため,この秋期夜間スクーリング期間,先週までほぼ毎週水・木は両国リバーホテルに宿泊。快適な空間をありがとうございました。

第6週:東洋史概説(日本大学通信教育部)

写真 (62)秋期夜間の集中講義。全7週。教室は1号館303講堂。

第11講は「モンゴル帝国の政治秩序(2)」。

「盟友(アンダ)」について学んだ。アンダとは「「誓い」と「贈り物」に基づいた盟約の関係」を指すが,モンゴル時代のアンダの内容について,チンギス=カンとジャムカ,イェスゲイ=バートルとオン=カンの例を紹介した。また,さらに発展したかたちについても,前回の「交換婚」との繋がりでも確認した。

休憩ののちは,試験問題を発表した。1200字から1500字内での解答で,当日は自筆のノートのみ持ち込み可とした。

第12講は「モンゴル帝国の政治秩序(3)」。

大カーンの「再分配」について学んだ。大カーンの帝国支配のひとつとなっていた,オゴデイの即位直後の配下への財の分配について,あるいは「気前の良さ」について紹介した。また即位事情の異なるグユクについても,その「再分配」の内容について,政治的な部分と併せて確認した。

風邪を引いているわけではないのだが,喉をやられてしまっているので,前半は擦れた声で受講生には迷惑をかけてしまった。個人的に喉が一番ダメージを受けやすく,冬の乾燥している時や花粉症の時期などが一番辛い。

試験範囲が終わり,あとは次週の前半の授業と最終試験を残すのみ。

今回のスクーリングで,この講義が一番聞いていておもしろかったとリアクションペーパーに書いてくださった学生さん,ありがとうございます(´ω`)

第5週:東洋史概説(日本大学通信教育部)

写真 (50)秋期夜間の集中講義。全7週。教室は1号館303講堂。

第9講は「モンゴル帝国の出現と拡大」。

後半部分&試験範囲はモンゴル帝国に関する内容。その前段階としての流れ,.皀鵐乾訥觜颪僚亳宗き▲ビライ政権を学んだ。後に10〜12講で話すテーマの基礎的な部分を理解しやすくするための解説をした。

第10講は「モンゴル帝国の政治秩序(1)」。

レヴィストロースの「交換婚」のキーワードを簡単に見たのち,[膨の王族の「交換婚」,▲皀鵐乾襪硫β欧痢峺魎杭А廚魍稜Г靴拭政治秩序のひとつとしての姻戚関係から,通説からは見えてこない部分にもふれた。

時間的な制約と学生による理解の複雑さを回避するため,チンギス=カン王家の姻族はウンギラト族のアルチ=ノヤン家のみとし,オイラト族のクドカ=ベキ家との姻戚関係については言及しなかった。

普段の概説より若干掘り下げた授業になったが,リアクションペーパーや話しを聞くと,興味をもってくれているようだ(´ω`)

次週,試験問題を発表します。

第4週:東洋史概説(日本大学通信教育部)

写真 (39)秋期夜間の集中講義。全7週。教室は1号館303講堂。

第7講は「テュルク化とイスラーム化(2)」。

.▲薀峽海砲茲訥蟒暫和咾離◆璽螢系定住民のイスラーム化,▲機璽沺璽鹹(イラン=イスラーム国家)の樹立,カラ=ハーン朝のイスラーム化,づ譽肇襯スタン東部のイスラーム化を経た,中央アジアのテュルク=イスラーム世界の完成を学んだ。

この話しに入るオープニングとして,ムハンマドからアッバース朝の成立などを1枚にまとめた自作の「イスラーム世界の分裂・展開図(〜16世紀)[部分]」を配布して,アラブ世界からの流れを概観した。近年は,ウイキペディアの影響であろうか,必要な情報以外もりこまずにプリントを配ると「書いてない」または「書いてないから存在していなかった」などと短絡的に理解する学生の存在を,他所ではあるが側聞する。なので,きちんとそれを説明し,かつプリントに[部分]と記すことで問題を回避している。

第8講は「「シルクロード」と交易商人」。

時代的には,前の講義と前後してしまうが,中央アジアの交易を担っていたソグド人について学んだ。近年では研究が盛んなことから,たくさんの絵や図版を利用した。というか,しないと説明がまったくできないし,イメージがしづらいw 

次週23日は,勤労感謝の日で休講。ちょうど今週で峠を越えたところ(´ω`) 試験にかんする通達あり。

写真は,教室のある1号館を北側から撮影したところ。5時半過ぎると真っ暗です。

第3週:東洋史概説(日本大学通信教育部)

写真 (29)秋期夜間の集中講義。全7週。教室は1号館303講堂。

第5講は「「シルクロード史観」をめぐって」。

私たち日本人にロマンを与える「シルクロード」というキーワード。,修量松里良甬據き日本人に広く知られるようになった時期や社会的背景,「シルクロード史観」や「脱シルクロード論」などについて学んだ。

第6講は「テュルク化とイスラーム化(1)」。現在の中央アジアは,イスラーム教を信奉するテュルク系諸民族が圧倒的多数を占める「テュルク=イスラーム世界」であるが,このうち「テュルク化」について学んだ。

リアクションペーパーによれば,「脱シルクロード論」で護雅夫先生が反論したなかの「日常茶飯事が,かならずしもすべて,また,つねに記録に残されるとはかぎらぬ」という部分,つまり「当たり前のことは,必ずしも記録に残されたわけではない」という一文に啓発された受講生が多かったようだ(´ω`)

写真は,授業直前の1号館。

第2週:東洋史概説(日本大学通信教育部)

秋期夜間の集中講義。全7週。教室は1号館303講堂。

第3講は「遊牧国家とオアシス国家(1)」。〕桂厂韻寮験茲蓮いれらの所有する動物によってまかなわれていること,中央アジアの草原地帯でのイラン系遊牧民→アルタイ系遊牧民の移り変わり,7主の役割などを学んだ。

第4講は「遊牧国家とオアシス国家(2)」。.アシス社会と水の供給源,▲アシス都市の発生→オアシス国家,オアシス都市の形態,ち雜兇量韻肇アシスの民の共存などを学んだ。い任蓮い泙燭發篌座してしまった(´ω`)

遊牧国家とオアシス国家の構造の違いについて,伝わりにくい部分があったようだ。回収したリアクションペーパーを元にして,次週補足すべきことや繰り返し説明するところなどをピックアップする必要がある。


次週11月3日(木)は祝日のため休講。

第1週:東洋史概説(日本大学通信教育部)

写真 (16)秋期夜間の集中講義。7週間(12月14日まで。11月2日と23日を除く)の18:30〜21:45まで。教室は1号館303講堂。

受講許可学生は25名。旧知の学生は4名ほど。

1週を2講(18:30-20:00,20:15-21:45)に分けて90分×13+最終試験=14コマ分として講義開始。

第1講は,最初に「ガイダンス」をおこない,成績評価基準などを説明した。その後「中央アジア史の捉え方(1)」として中央アジアの範囲を確認。狭義の中央アジアを指す,旧ソ連5カ国の概況を示して,データから民族・宗教などについてイメージさせた。次いで宗教的世界の区分,地理的な特徴を経て,中央アジアの人々の視座を提示した。また,広義の中央アジアに含まれる中国の各自治区やその他の国々もまぜて,同様に日本とは異なる文化的背景を認識させた。

第2講は,「中央アジア史の捉え方(2)」として, 崔羆アジア史はどのように研究されてきたのか」,◆峪代区分」などについて,次週以降につながる流れを確認した。

思った以上に教職希望者が多く,また仕事帰りの受講生が多かった。こちらも緊張しつつ初日を終えたが,時間配分と内容はシミュレーションどおりで一安心。ただ最後のスタミナ切れ&ろれつが回らないのが想定外(?想定内?)だった。

概説なので特殊講義にならないように気をつける。

みなさん,リアクションペーパーの書き方が手慣れているようで,こちらも気合いが入る。あと6週間楽しみ(´ω`)
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人プロフィール

出身地:群馬県前橋市

履歴:高校卒業後,日中学院より中国に3年間留学。印刷関連会社勤務を経て,日本大学通信教育部(史学専攻)から日本大学大学院文学研究科史学専攻(博士前期課程)へ。日本大学大学院文学研究科東洋史学専攻(博士後期課程)満期退学。博士(文学)

現職:非常勤講師ほか

専攻:清朝史・満族史・東北アジア民族史・東アジア史及び満洲語文書資料。

タイトルの“tere inenggi”とは満洲語で“その日”という意味です。

現在,歴史学・東洋史・中国語(漢語)・コンピュータ情報リテラシー等の講師をしてます。講義では,できるだけ多様な視座を提供したいと模索中です。

カテゴリー別
月別アーカイブ
最新コメント
天気(東京)
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ